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マネキネコ(ゲームレビュー)

同人フリーゲームのレビューをしております。 たまに、アニメなどの話題も。

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制作:Tears Lab.
ジャンル:短編サウンドノベル

少女は夢を見る。
繰り返し繰り返し同じ夢を。

本当に夢から覚めた時、少女を待っていたものとは・・・。


(ふりーむ! の紹介ページより引用しました)

ちょっと変わった趣向の、短編ノベルゲームを見つけたので紹介します。

主人公の少女が繰り返し見ている夢の中で、ある人物と会話をしていくだけのゲーム。
会話の途中で数回、相手の質問にどう答えるかを選択します。
間違った(?)ことを言うと、即ゲーム終了。
少女は夢から覚めてしまいます。


彼女の夢を繰り返すうちに、ルートが自ずと見えてくるので難易度は低め。
夢の人物の正体は何なのか。彼女はどうして夢の中で、会話を繰り返すのか。

全てが分かった時の、目の前がはっと明るくなるラストが秀逸です。
「ああ、そういうことか」と分かるシーンの書き方が、良かったです。最後のさわやかな〆が好きですね。


このゲームは、最初からセーブ・ロード機能が無い仕様になっていて、途中出てくる選択肢を一つでも間違うと少女が夢から覚めてしまい、強制終了させられます。

まあ、物語の雰囲気を大切にしているが故にそういった作りになっているのでしょうが、やはり、選択肢が三つ以上出るゲームでセーブできないのはちと辛かった。

エンディングに到達するまでの道のりが、ほとんど「覚えゲー」に近いものになってしまうのだけが少し惜しかったですね。
あと、エンドロールの流れるスピードも、もうちょっと速くしてほしかった。


夢の中の、真っ白な背景画像がシンプルで素敵です。あと、音楽も作品の雰囲気によく合ってて◎。


荒いつくりながらもセンスが良く、光るものがある短編でした。
ゆったりとした雰囲気を楽しみたい人にオススメです。

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制作サイト:永遠の文芸部
ジャンル:サウンドノベル


余命わずかとなった女子中学生の桜井かりんは、卒業直前に些細な犯罪を企てる。
その犯罪とは「放火」である。ターゲットの家は、自分を捨てた父親の家。
でも、かりんの放火は決して罪ではない。だって、この世界では極悪非道な犯罪が日常的に行われていて、大人は楽しく子どもの心を殺しているから。
かりんの放火計画に、友人の可奈子、夏海、奈々は快く協力することになる。
でも可奈子たちは、決してかりんに手術を受けろなんて言わない。それはまさに友情といえるものです。
そして、かりんは放火するだけじゃ飽きたらず、父親の弱みを握りたいと言い出す。
ということで、放火の前段階として父親の「弱み」を握るために、可奈子達はススキノを徘徊する。
少女達の楽しい放火計画と、ススキノ徘徊。
変態親父。クソ教師。このイカれた世界で、放火を罪だと言えますか?


(フリーゲーム 夢現の紹介ページより引用しました)



サイトの作品紹介が衝撃的だったので、即ダウンロードしてプレイしました!

全体的に、シナリオがなかなかに過激な方向に突き抜けている作品で、最初にこの作品をプレイしたときの印象が強かった記憶があります。

今回紹介するこの作品も無料で遊べるフリーゲームなのですが、なんと本編はフルボイスで、主人公を始めとするキャラ一人ずつに声優さんが声をあてており、さらに主題歌が二つもあるという手の込んだつくりです。

キャラグラフィックは、よくあるデフォルメ調の萌え絵とは異なり、独特の雰囲気を醸し出している写実的なもので、キャラの表情変化の細かさがリアルっぽくて良いな、と思いました。


メインキャラ・加奈子、かりん、夏海、奈々の4人は中学生なのですが、序盤から既に彼女達は飲酒、タバコに万引きなどを当たり前のようにやっており、政治家や某氏および某国家などを酷くこき下ろすような言葉もバンバン口にしたりと「オイオイ大丈夫か」とこっちが言いたくなるほどのフリーダムっぷりを見せてくれます。

作中でも彼女達は自分たちの思考が中二病じみてるのを自覚しており、だからこそ彼女達の、爽快なほどにわが道を突っ走る言動は読んでて楽しめました。


主人公・佐伯加奈子は周りの大人たちのことを生ゴミ同然としか思っていなくて、大人になる前に死ぬことが一番とも考えていたりする、いろいろと危ない少女。

そんな加奈子と友人達は、病気で余命が一ヶ月となった桜井かりんの計画した、彼女の父親の家を燃やす計画に協力するのですが……。


加奈子がある事情から、かりんに対してちょっとした負い目を感じ、それから放火計画に加担することを決める描写もさることながら、夏海や奈々それぞれの周囲に反抗していながらも結構ナイーブな心理と感情の機微が描かれているのも好印象。


かりんの父親を陥れるためにススキノへ赴く4人。やがて決行される彼女達の放火計画。
そして、かりんと加奈子たちの迎える結末は…。
エンディングはバッドとハッピーの二種類。


これは、全ての大人たちに失望させられ続けてきた少女たちの、悲痛な想いが描かれた物語。
読み終わった後、心に残るものがあるゲームでした。


ちょっと過激な青春サウンドノベル。自分が大人になったと思った人達に、プレイをお勧めしたいです。
 

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制作:小倉ハムスター
ジャンル:ホラーショートノベル



その美しい青い羽根は、ぼくを虜にさせた。

(制作サイトより引用)


遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
今年もこの、しがないブログをよろしくお願いします。

というわけで(?)、新年一番最初に短いレビューを投下します。相変わらずの、レビューの季節感の無さ(笑)

本作は短編の、ホラーテイストなノベルゲーム。ストーリーは主人公の男の子の視点で展開します。
子供特有の、どこか不明瞭で、ふわふわした視点の書き方が上手いと感じました。
物語の語り手が小さな子供だからなのか、ストーリーは所々ぼやけた印象があります。それがかえって、怖さを演出していたり。

作中でも描かれていることなのですが、世の中で人間が一番恐怖を感じるのは、やはり「知らない」事でしょう。
 未知に勝る恐怖はなし、といった感じでしょうか、この話の怖さは「真実が分からない」という所にあると思います。

終盤に現れる二つの選択肢によって、トゥルーとバッド、二つのエンディングに分岐します。
切ない余韻にじんわりと浸れるトゥルー、見事な演出で恐怖をしっかり感じさせられたバッド、どちらも上手く描かれていました。
トゥルーEDラストの幻想的な〆方が良いですね。こういう話、大好きです。

短く、サクッとプレイできるので気軽にプレイできます。興味がある方は、是非。

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ファタモルガーナの館
制作:ノベクタクル
ジャンル:サマーバケーション用ノンストップコメディ

シェアゲーム・「ファタモルガーナの館」全体と第一章の完全なネタバレ有


世間はたのしいたのしい夏休み。
「何なのですか、そのナツヤスミというのは」
しかし毎日がエブリデイなひきこもり青年は
夏休みの過ごし方も分からない!

やさしいメイドさんは、そんな彼にすてきな
夏休みを送ってもらおうと、ある計画をする。
「リア充体験ツアーですわ!」

果たして彼は素敵な夏休みを送れるのか!
メイドさんは何をする気なのか!
そもそも世界観は無事で済むのか!

空前絶後のお屋敷バケーションが今はじまる!

(制作サイトより引用)


「ファタモルガーナの館」製品版をゲットできた記念にレビューを投下します。

西洋浪漫サスペンスホラー「ファタモルガーナの館」のコメディノベル。
(公式でひきこもり認定の)館の主人・ミシェルが女中さんによって、本編の第一章の恋愛イベント(?)を体験させられる話(なのか?)

しょっぱなから、女中さんのミシェルに対する扱いがひどすぎて笑った。
本編でもひきこもりのミシェルさんの、女性陣に対するやる気のない応対がなんとも(笑) ご主人、まさにフラグクラッシャー。

絶望的かつ鬱な内容である第一章の展開をなぞっているはずなのに、やたら笑えて仕方ない。あれ、ファタモルってギャルゲーだっけ……?
女中さんの言うように、白い髪の娘ルートの他にも[ 妹 ]ルートがあるなら是非見たかったよ…。
巻き込まれたはずの張本人であるメルの方がミシェルより順応してるのも面白かった。
そういや、考えてみりゃメルって作中でも屈指のリア充だよなぁ。

公式サイトで配布している体験版では第二章までプレイできます。おやばけ!は体験版の後にプレイするのがおすすめかと。
興味がある方は、是非体験版をプレイしてみてください。

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制作:小豆クリーニング

(以下のあらすじはふりーむ!の紹介ページよりそのまま引用しました)
■ほん呪!durbbing girls revival fest

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

観れば七日後に死が訪れるという噂の「呪いのビデオ」
運悪くそのビデオを観てしまったフリーター、安野鉄五郎。
約束の七日目、安野の日常はゆっくりと崩壊を始める――

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

プレイ時間は約30分ほど。
「リング」の貞子と言えば、皆様ご存知「呪いのビデオ」を見ちゃうとテレビから出てくるあの人ですよ。
本作はそんな貞子と同棲(!)するゲームとなっています。

主人公であるしがないフリーター・安野はバイト先のレンタルビデオショップから持ち出した「呪いのビデオ」を運悪く見てしまいます。
しかも、安野君、その呪いのビデオに更に重ね撮りしてしまうという(笑)

店長にビデオを見た者は死ぬと告げられた安野。その後数々の異変が安野に襲い掛かる…という導入部分にすっかり騙されてしまいました。まさかの貞子の正体がアレとは。

さつきとショーコ」のレビューでも触れましたが、小豆クリーニングさんのゲームの魅力と言ったらやはりグラフィックと演出でしょう。
原作である「リング」を彷彿とさせるようなホラー演出も然ることながら、貞子や成田さんを始めとするキャラクター作りも秀逸です。グラフィックも味がある感じで可愛い。
ハードゴア映画を純愛と言い切る成田さんのキャラが楽しくて、気に入ってます。


………ところで、序盤に一瞬だけ登場したバカップル客は現代アートか何かなのでしょうか。
あまりの禍々しさに腹筋をやられた(笑)

物語の序盤といった感じの第一話。貞子の本当の使命とはいったい何なのか?


■ほん呪!durbbing girls revival fest第二話

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「呪いのビデオ」を観た7日後、
フリーター安野鉄五郎の前に、貞子が現れるが……。

映画小説「リング」の設定をベースに、
しかしもう殆ど別作品になってしまった感のある
青春グラフィティストーリー第2弾。

失われた呪力を取り戻すべく貞子の奮闘。
果たして、貞子は使命を果たすことができるのか?
安野の就職先は決まるのか?

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


第二話はプレイ時間が60分とかなり長いです。そしてグラフィックも、半端なく多いです。
今回、貞子がインなんとかさんや某初音●クのコスプレしたり、貞子のサービスショットがあったりとグラフィックを眺めているだけでも楽しい。

作者曰く、この物語のテーマは「人生」なんだそうで、第二話では安野の夢と挫折、人生の世知辛さがガッツリ描写されています。その辺を踏まえても、この話はかなりシリアス成分が強めです。
使命を全うするために、いろいろと動き出す貞子。特訓の成果が出たお陰か能力を手にした貞子、ついに使命を完遂させる時が来たかと思いきや…。しかしなんと安野が遂にやらかしてしまった!なかなかに生々しい話題です。
この辺のネタはかなり人を選ぶかと。(私は下ネタ平気なので無問題)

そして、後半から怒涛のように続く予想斜め上の展開。安野の取ったあの行動には、もう笑うしかなかった。
ラストシーンの演出がとても素晴らしかったです。挿入歌の「ゲンカン」が流れるシーンには胸が熱くなりました。彼らのやっていることはすごくアレなんですが(笑)
とにかく、ラストの半端ない盛り上げ方とグラフィック面の演出は一見の価値あり。

…………しかし、あのオチである。イイハナシカナー?
まあ、何にせよ、安野はよくがんばった。彼にとっての、払った犠牲はかなり大きそうですが。


■ほん呪!durbbing girls revival fest第三話

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3月――安野と貞子が住む緑ヶ丘市では、いま奇妙な事件が頻発していた。
 
アホの子貞子との愉快な同棲生活、あいかわらず変人しかいないバイト先。変わらぬ日常を謳歌していた安野だが、今回、貞子に、ある異変が……。
「リング」の貞子と同棲するノベルゲーム第3弾。

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いよいよ物語の真核に近づいたきた様な第三話。
しょっぱなから、成田さんのセクシーショットには驚かされました。成田さんカワイイ。

レンタルビデオ店を襲う奇妙な窃盗事件は、やはり貞子関連の謎と関係あるのでしょうか。
安野の想像のように、同じような貞子のコピーが何人もいるのだとしたら、後の展開で新たに別の貞子が登場するのかもしれませんね。
この辺のエピソードは重要な伏線を張っているような感じで、気になりますね。

いやー、何と言っても短髪貞子かわいい!!二話の時点で既に可愛さを発揮していた貞子でしたが、一段と可愛くなって嬉しい。
やはり安野とフラグが立ち始めた貞子ですが、名前を呼ばれたときの安野の反応が面白かった。安野、落ち着け!

ラストからはいまいち不穏な部分を感じ取れませんでしたが、安野の最後のモノローグが意味深ですな…。
貞子の身に何か良くないことが起こるのでしょうか……。

 

「貞子萌え」を体験したいのなら、是非プレイしてみてください。

ふりーむ!のダウンロードページはこちら。→第一話 →第二話 →第三話

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ジャンル:ノスタルジック・ショートショート
制作:Sixteenth_Moon



語り手である「わたくし」(女性)と、足だけ残された、とある少女の石像との邂逅の話。

作者曰くこの話は「無機物百合」だそうで、興味が涌いたので思い切ってプレイ。
文章の上手さもさることながら、演出が良いな、と思いました。
巧みな文章の中に終始「わたくし」の、掴みどころの無い狂気が潜んでいるようで読んでてドキドキしたのですが、極めつけは最後のアレで背筋に寒いものが…

ラストの演出が秀逸です。やはりプレイ後の、[変化するタイトル画面]が全てを物語ってますね。
こういう話、結構好きだったりします(笑)

短い話の中に、コレだけの迫力を生み出せるのはすごいなあ。興味を持ったなら、是非。


ふりーむ!の「うつくしいあし」ダウンロードページはこちら

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  製作:小豆クリーニング

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「さつきちゃん、自主制作動画って観たことある?」
 「ない」
 「撮ったことは?」
 「ない」
 「自主制作映画を撮ろうよ、さつきちゃん!」
 
アホのショーコの発案で映画(?)を撮るはめになったツンデレさつき。
 はたして二人は霊を写すことはできるのか?
 二人の女子高生が織り成す、ドタバタ青春コメディ『見るノベルゲーム』の開幕です。
 
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(ふりーむ! の紹介ページより引用)

「小豆クリーニング」作品では、「ほん呪!durbbing girls revival fest」が有名ですが、
この作品は既にネット上でたくさんの人が感想を書いてしまっているので…
今回はあえて、個人的にお気に入りな「さつきとショーコ」のレビューをします。

(ちなみに、貞子がとっても可愛い「ほん呪!」シリーズも良作なので是非)

    
↑可愛いスチルと立ち絵が魅力。


二人の女子高生がホラー映画製作に挑戦する、という内容なのですが…ホラー要素ゼロ!
むしろキャラの顔芸が一番怖い(笑)
終始、コメディなノリでホラーについて真剣に語る二人が大変可愛らしかったです。

やはり、このサイトのどの作品でもそうなのですが、特筆すべきはイベント絵&立ち絵の種類の豊富さとクオリティの高さ。
ラフなタッチながらも、表情がコロコロ変わるのが見てて楽しい。

演出も素晴らしく、後半の疾走感と臨場感溢れる怒涛の展開に目が離せなくなると同時に爆笑しました。

こいつ……動くぞ……!

音とテキストがついたパラパラ漫画みたい、と言えば良いのでしょうか…?
ラストの盛り上げ方が半端ないので、是非遊んでみてくださいな。
  

ふりーむ!の「さつきとショーコ」ダウンロードページはこちら

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制作:三尺寝 
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「ウワサ」はいつ生まれ、いつ消えていくのか。
 
 
 
選択肢無しの一本道ノベルです。
内容はやや暗めですが、人が死んだりとかはしません。
 
モノクロのイラスト、シンプルなBGM。
雰囲気作りにこだわりました。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(フリーゲーム 夢現のページより引用)

 

「…in white」と同じように、雰囲気が独特で、かなり気に入っているサウンドノベルです。

ゲームタイトルのコモンセンスとは、英語で「常識」という意味。

一つ一つのエピソードは短く、タイトル画面の「はじめから」をクリックするたびに新しいエピソードへ進みます。
こういうシステムのため、本作にはセーブ&ロード機能というものがありません。

いわゆる「萌え系」とはかけ離れているグラフィックと、雰囲気を大事にしているBGM。
そして、「ウワサ」を中心にして進む物語。

常に「ウワサ」の的になるマキ、駅の階段から人を突き落とすという「ウワサ」の張本人である加納、そして「ウワサ」に翻弄されるカオリ。
三人の少年少女たちが現実で迷ってしまった時、彼らは「階段から落ちる」という行為を持って、「常識」から一時的に逃避する。
ティーンエイジャー特有の、複雑な迷いと不安を浮き彫りにした心理描写は素晴らしかったです。
プレイ後、タイトルをもう一度見たとき、その意味を思い出すと同時に心地よい読後感がありました。

不思議な雰囲気の短編サウンドノベルをしたいのなら、是非。

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制作:ZIGZAG様

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::          6×6=36

36×4=144

正体不明の、真っ白な密室に閉じ込められたユキは、天井のボルトを数えて日々を過ごしていた。

突然、スピーカーが“もう一人の被験者”の存在を告げるまで――。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(製作者様のサイトより引用)

サイトによると、「推定プレイ時間15分以内・容量10MB以下の掌編ゲーム」だそうです。
実際、ダウンロードしてゲームを起動して最初に「画面ちっさ!」って思いました。
本当に、ゲームのウィンドウがちょこんとしてて、BGMもプレイ中はどこか切ないピアノの曲が聞こえるだけ。
キャラの立ち絵はなく、必要最低限の画像と二人のキャラのビジュアルが表示されるだけです。

タイトルの通り、ゲームの中の世界も、真っ白。白一色だけです。
終始モノクロで表示される画像、タイトル画面にいる二人の少年だけが登場人物。
こう書いてると読みづらい作品のように思えますが、むしろこれらの要素がこの作品の魅力ともいえます。
ゲーム中、二人の少年が密室に閉じ込められたように、閉鎖的で虚無感に包まれている世界観が表れているようで面白いと思いました。


突然、謎の白い密室に監禁されてしまった少年ユキ。
何の実験かも分からないまま「被験者」として白い部屋で過ごしていると、ある日、もう一人の被験者がユキの部屋に入室することを了承するかどうかを問われます。
そしてユキは、もう一人の「被験者」である少年カノエと同じ部屋で過ごすことに。

ゲームの最後まで、ユキとカノエを閉じ込めた人達の正体は明かされません。
この話では、監禁生活の中で少しずつ変わっていく二人の関係と心理描写に重きを置いています。
母親に虐待されていたユキと、裕福な家に育ちながら幸せな生活を送れなかったカノエ。
共通点のない二人が白い部屋の中、少しずつ歩み寄る描写が良かったです。

EDは全部で三つ。
選択肢によって、大きくエンディングが変化します。 
先行きが分からないまま話は終わるのですが、こういう話はむしろくわしく書きすぎると興ざめなので、この終わり方はこれで良いな、と感じました。

とてもセンスが良い、面白い作品でした。
短いので、サクッとプレイしたい人におすすめ。

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プロフィール

HN:
炎 みやび 
性別:
女性
趣味:
ゲーム、アニメ、読書、料理etc...
自己紹介:
※初めて訪問された方は、「ブログ概要」に目を通して下さると嬉しいです。

気ままに、好きなゲームのレビューを書いております。主にフリーゲーム中心。
女性向け(乙女・BLゲーム)の感想も扱うのでご注意ください。
あと、一応ネタバレには白文字で配慮しております。
時々、年齢制限があるコンテンツを紹介することもあります。
18歳未満の方(高校生含む)は閲覧にお気をつけください。

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