マネキネコ(ゲームレビュー)
同人フリーゲームのレビューをしております。 たまに、アニメなどの話題も。
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制作サイト:永遠の文芸部
ジャンル:サウンドノベル
余命わずかとなった女子中学生の桜井かりんは、卒業直前に些細な犯罪を企てる。
その犯罪とは「放火」である。ターゲットの家は、自分を捨てた父親の家。
でも、かりんの放火は決して罪ではない。だって、この世界では極悪非道な犯罪が日常的に行われていて、大人は楽しく子どもの心を殺しているから。
かりんの放火計画に、友人の可奈子、夏海、奈々は快く協力することになる。
でも可奈子たちは、決してかりんに手術を受けろなんて言わない。それはまさに友情といえるものです。
そして、かりんは放火するだけじゃ飽きたらず、父親の弱みを握りたいと言い出す。
ということで、放火の前段階として父親の「弱み」を握るために、可奈子達はススキノを徘徊する。
少女達の楽しい放火計画と、ススキノ徘徊。
変態親父。クソ教師。このイカれた世界で、放火を罪だと言えますか?
(フリーゲーム 夢現の紹介ページより引用しました)
サイトの作品紹介が衝撃的だったので、即ダウンロードしてプレイしました!
全体的に、シナリオがなかなかに過激な方向に突き抜けている作品で、最初にこの作品をプレイしたときの印象が強かった記憶があります。
今回紹介するこの作品も無料で遊べるフリーゲームなのですが、なんと本編はフルボイスで、主人公を始めとするキャラ一人ずつに声優さんが声をあてており、さらに主題歌が二つもあるという手の込んだつくりです。
キャラグラフィックは、よくあるデフォルメ調の萌え絵とは異なり、独特の雰囲気を醸し出している写実的なもので、キャラの表情変化の細かさがリアルっぽくて良いな、と思いました。
メインキャラ・加奈子、かりん、夏海、奈々の4人は中学生なのですが、序盤から既に彼女達は飲酒、タバコに万引きなどを当たり前のようにやっており、政治家や某氏および某国家などを酷くこき下ろすような言葉もバンバン口にしたりと「オイオイ大丈夫か」とこっちが言いたくなるほどのフリーダムっぷりを見せてくれます。
作中でも彼女達は自分たちの思考が中二病じみてるのを自覚しており、だからこそ彼女達の、爽快なほどにわが道を突っ走る言動は読んでて楽しめました。
主人公・佐伯加奈子は周りの大人たちのことを生ゴミ同然としか思っていなくて、大人になる前に死ぬことが一番とも考えていたりする、いろいろと危ない少女。
そんな加奈子と友人達は、病気で余命が一ヶ月となった桜井かりんの計画した、彼女の父親の家を燃やす計画に協力するのですが……。
加奈子がある事情から、かりんに対してちょっとした負い目を感じ、それから放火計画に加担することを決める描写もさることながら、夏海や奈々それぞれの周囲に反抗していながらも結構ナイーブな心理と感情の機微が描かれているのも好印象。
かりんの父親を陥れるためにススキノへ赴く4人。やがて決行される彼女達の放火計画。
そして、かりんと加奈子たちの迎える結末は…。
エンディングはバッドとハッピーの二種類。
これは、全ての大人たちに失望させられ続けてきた少女たちの、悲痛な想いが描かれた物語。
読み終わった後、心に残るものがあるゲームでした。
ちょっと過激な青春サウンドノベル。自分が大人になったと思った人達に、プレイをお勧めしたいです。
プロフィール
気ままに、好きなゲームのレビューを書いております。主にフリーゲーム中心。
女性向け(乙女・BLゲーム)の感想も扱うのでご注意ください。
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