マネキネコ(ゲームレビュー)
同人フリーゲームのレビューをしております。 たまに、アニメなどの話題も。
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乙女ゲームのレビューばっかり書いているからですかね。
長編のサウンドノベルのレビューも書きたいのですが、自身の語彙が貧困なせいか、書こうと思うのに書けない、という情けない事態に度々直面します。
レビューを書いている時以外でも、こういうのが多々あります。
なので、最近いろんなライターさんに敬意を感じる機会が増えてきました。
あんなふうに、たくさんの文章量をこなせる人間になりたいものだと常々思います。
近いうちに一般向けのサウンドノベルとADVをアップする予定です。
ちょっと古い作品なんですが、良いゲームなので記事を書きたいのです…。
自分の文章力の無さと遅筆っぷりに、負けたくないものですね!( `・ω・)
制作:シャイムの私目
ジャンル:教師と生徒の空想科学
「彗星の尾に含まれる水素が地球の酸素と化合すれば、人類は窒息する」
1910年にハレー彗星が接近したとき、人類は滅亡するというウワサが広がりました。
混乱する人々の上空を彗星は静かに通り過ぎました。
人類は滅亡しませんでした。
それから100年過ぎました。
2010年11月、晴れた日のこと。
15歳になったばかりの少女にキセキが起きました。
大好きな先生と偶然二人きりになれたのです。
先生は少女に課題を出しました。
「まもなく地球の酸素がなくなる」と。
彼女はいっしょうけんめい酸素を集めます。
これは先生から与えられたトクベツな課題です。
彼女は先生に認めてもらいたい気持ちでいっぱいです。
少女の冒険がはじまりました。
(制作サイトより引用)
製作サイトの「わたし、いま、酸化されました。」というキャッチコピーと、綺麗なグラフィックに惹かれてプレイしてみました!
とても素敵なゲームでしたので、紹介します。
主人公の少女・天音セレンは理科の教師、仁志先生に恋をする女子中学生。
運よく先生と学校で二人きりになれた主人公は、先生の出した「トクベツ課題」に挑戦することに。
それは、「学校に置いてある物を自由に使って酸素を発生させよ」というもの。
空気中の酸素が不足してしまうと、課題は失敗となります。
本作の大きな特徴と言えば、従来の乙女ゲームとは違い、「好感度」に関わる選択肢が発生しないことでしょうか。
代わりに、セレンの思考ベクトルを「科学的」にするか、「空想的」にするかを決める選択肢があります。
ゲーム画面の右上に、ゲーム中のセレンの思考ベクトルの状態を示すアイコンがあり、「科学的」「空想的」「中道的」のいずれかで表示され、その結果によりエンディングが変化します。
「科学的」に真面目に酸素集めに励んでも良いし、「空想的」に自由な発想を展開して奇抜なことをやっても、ゲームの中ではどれも間違いではありません。
ただし、酸素が18%未満まで減少してしまうとバッドエンド直行なので気をつけましょう。
主人公のセレンちゃんが、憧れの仁志先生に近づきたい一心で一生懸命、どうやったら酸素が出来るか思考を巡らせる様子がとても可愛らしい。
本編で元気にぴょこぴょこ跳ね回る彼女の可愛さが眩しいです…!誰かに対してとっても一途な女の子は素敵だ。
「空想的」選択肢で見せる、お茶目な思考も読んでて楽しい。
攻略対象である、クールで真面目そうな仁志先生が、実験中に見せる少年っぽい表情が生き生きしてて好きです。
それでいて、理系で白衣でメガネで七三だなんて……!どれか一つでも萌え属性を持っている方にとっては、たまらないキャラなのではないでしょうか。
「科学的」ルートでの、先生の解説も普通に読むだけでも勉強になります。身近にある酸素を扱う話なだけに、こういうちょっとした知識や雑学を知るのは楽しいですね。
このゲームでは、「冒険」というワードがよく使われています。
作中でもセレンちゃんは、「トクベツ」とは、ドキドキワクワクすることだと言っているように、日常でのちょっとした冒険が特別に感じるのは、そこに未知を探求する楽しさがあるからなのでしょう。
子供と大人の間にいる、15歳の少女は「トクベツ課題」という名の冒険の中で何を見つけるのか。
結末はご自分の目で確かめてみてください。
空想と科学の両方の楽しさが味わえる、爽やかな雰囲気の乙女ゲーム。男女問わず、是非いろんな方にプレイをお勧めしたいです。
↑スマホを模したデザインのゲーム画面がハイセンス。
制作:Tears Lab.
ジャンル:SFサウンドノベル
決められたカリキュラムを淡々とこなすだけのつまらない毎日。
そんな中で与えられた一台の携帯電話。
「あなたは誰ですか?」
これは・・・、≪自由≫の物語。
(ふりーむ! の紹介ページより引用しました)
面白い短編ゲームを見つけたので、簡単にレビューしようと思います。
本作はスマホ画面のようなデザインのウィンドウで進行するサウンドノベル。
理由も分からず、ある部屋に閉じ込められたまま育った主人公にある日、一台の携帯電話が手渡されます。
主人公を監視している人間は、彼に携帯を使ってメールを送るようにと命令するのみ。
わけも分からないまま、主人公はメールという手段を用いて「シイナ」という少女に接触を試みるのですが…。
自分を閉じ込めていた理由を暴くため、主人公がシイナと交流しながら建物の中を奔走する様子が、彼らのメールの文面のみで描かれています。
とある理由により、彼らはなかなか巡り会えないので、対面するまでの過程をやきもきしながら読み進めました。
こういった、人物のニアミスが盛り込まれたシナリオは結構好きだったりします。
階層ごとに違った様相をみせる不気味な施設の正体、そして、監視者たちの真意。
予想もつかない、衝撃的な展開続きでドキドキしました。
本作のキーワードは「自由」です。
後半のシナリオはひょっとしたら、人の好みが分かれるところもあるでしょうが、私にとっては割と好みな内容とラストで面白かったです。
物語のテーマにも、考えさせられるところがありましたし。
個人的に、面白いと思った短編ノベルゲーム。SF好きな方にもお勧めしたいです。
制作:Tears Lab.
ジャンル:短編サウンドノベル
少女は夢を見る。
繰り返し繰り返し同じ夢を。
本当に夢から覚めた時、少女を待っていたものとは・・・。
(ふりーむ! の紹介ページより引用しました)
ちょっと変わった趣向の、短編ノベルゲームを見つけたので紹介します。
主人公の少女が繰り返し見ている夢の中で、ある人物と会話をしていくだけのゲーム。
会話の途中で数回、相手の質問にどう答えるかを選択します。
間違った(?)ことを言うと、即ゲーム終了。
少女は夢から覚めてしまいます。
彼女の夢を繰り返すうちに、ルートが自ずと見えてくるので難易度は低め。
夢の人物の正体は何なのか。彼女はどうして夢の中で、会話を繰り返すのか。
全てが分かった時の、目の前がはっと明るくなるラストが秀逸です。
「ああ、そういうことか」と分かるシーンの書き方が、良かったです。最後のさわやかな〆が好きですね。
このゲームは、最初からセーブ・ロード機能が無い仕様になっていて、途中出てくる選択肢を一つでも間違うと少女が夢から覚めてしまい、強制終了させられます。
まあ、物語の雰囲気を大切にしているが故にそういった作りになっているのでしょうが、やはり、選択肢が三つ以上出るゲームでセーブできないのはちと辛かった。
エンディングに到達するまでの道のりが、ほとんど「覚えゲー」に近いものになってしまうのだけが少し惜しかったですね。
あと、エンドロールの流れるスピードも、もうちょっと速くしてほしかった。
夢の中の、真っ白な背景画像がシンプルで素敵です。あと、音楽も作品の雰囲気によく合ってて◎。
荒いつくりながらもセンスが良く、光るものがある短編でした。
ゆったりとした雰囲気を楽しみたい人にオススメです。
制作サイト:Star Gazer -スターゲーザー-
ジャンル:人外の教え子との背徳的偏愛ラブストーリー
※15歳以上推奨(若干の性描写あり)
キミとの出会いは、仕組まれた罠だった。
出会えてよかった――胸を張ってそう言えるだろうか。
僕はまだ悩んでいる。
キミとの出会いで、僕の人生の歯車は狂った。
キミのせいだとは思わない。キミのせいであるはずがない。
その手を離せば、元の生活に戻れるはずなのに。
キミのことを見ていると、どうしても手を離すことができない。
この想いは、同情心なのだろうか。
それともこの想いは――――
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学校の教師になる夢を諦めた塾講師アルバイト――秋山義文(あきやまよしふみ)。
ある日の帰り道、「家庭教師として引き抜きたい」と、不審な女から誘われる。
その給与は破格であり、奨学金返済に苦しんでいた秋山は、家庭教師の仕事を受けることにした。
教えられた住所を頼りに辿り着いた場所は、「生命科学総合研究センター」という怪しげな研究所。
一室に案内され、秋山は少女ハマルと出会う。
やがて秋山は、ハマルに関する衝撃的な事実を知り、決断を迫られる。
(制作サイトより引用)
今回紹介するのは、選択肢無しの純愛サウンドノベルです。
タイトルに“R”と付いていますが、本作は旧版「キミはキメラ」の(主にグラフィック面での)リメイク作品だからだそうで。
ちなみに、私は無印版をやっていません。なので、レビューも“R”に対する感想に基づくものです。
さて、この作品、ジャンルが「人外の教え子との背徳的偏愛ラブストーリー」というなかなかブッ飛んだものでして。こういうセンス、嫌いじゃないです。
教師の夢を挫折してしまった主人公の義文は、謎の中年女性・冬城夕子から家庭教師の依頼を受けます。
お金に困っていた義文は、その依頼の異常さと破格の報酬を不審に思いながらもそのバイトを引き受け、バイト先の施設で変わった生徒・ハマルに出会います。
ハマルとの交流の中、義文は彼女の「秘密」を知ってしまい…。そこから物語は始まります。
まあ、ハマルの正体はすでにタイトルからしてバレバレなのですが、彼女の正体を知ってしまったことで、義文は依頼先のセンターが危険な研究に携わっていることに気付きます。
それでも、彼は大事な教え子であるハマルの事が気になり、家庭教師の仕事を続けようとするのですが…。
そこからはあれよあれよとグイグイ引っ張られる展開の連続で、続きが気になって一気に読んでしまいました。
「読ませるパワー」があるシナリオが書けるのは、かなりすごい事だと思います。
ヒロインであるハマルが魅力的に描かれていて、彼女が義文のことを一途に慕う姿がとても愛らしい。ヒロインが可愛い作品は個人的には評価大!
最初の頃は表情が乏しく、感情の起伏もあまり無かったハマルが、主人公との交流を深めていくうちに笑顔を見せ始める描写も◎。
彼女が新しい知識を得るたびに、嬉しそうに笑顔を見せるシーンがあるのも作品の魅力と言えます。
主人公の義文も(かなりのヘタレかつ優柔不断な男ですが)まっすぐな性格で、いつもハマルに対して誠実であろうとする姿には素直に好感が持てます。
あと、冬城夕子の独特の胡散臭さが気に入ってます。冬城のマッドサイエンティストっぷりが好きなので、もうちょっと狂った彼女を見ていたかったかも。
出会ったばかりの頃こそごく普通に、生徒と教師という関係だったハマルと義文ですが、数々の事件と陰謀に巻き込まれていくうちに次第にその関係は変わっていきます。
また、作品紹介に「若干の性描写あり」との注意書きもあるように、「そういった」シーンも一応、あるにはあります。
ですが、それは一人の少女が成長する過程の描写ではどうしても避けられない問題でもあるため、性描写にはあまり「いやらしさ」が感じられません。
本作は、ハマルと義文が苦難をどう乗り越えていくかを主に描くラブストーリーなので、イロモノ描写はかなり少なめです。
義文とハマルの出会いは仕組まれたもので、全て偶然を装った必然だった。
それでも尚、彼らには離れ離れになるという選択肢はありません。
物語のラストから見ても、この事件の根本的な解決はしていないのですが、いつか彼らにも黒幕に対する叛逆の機会が来てほしいところ。
兎にも角にも、この二人には幸せになってほしいですね…。
中編の良作恋愛サウンドノベルでした。興味のある方は、是非プレイしてみてください。
鬼灯はまだマンガ持ってないのでアニメ派ですが、とにかく出てくる動物達がかわいいアニメですね…!
なんといっても、シロが可愛過ぎて発狂しそう。めっちゃモフモフしたい。
第一話で、シロの声カワイイなー声優誰なんだろーと思ってキャスト表見て、声が小林由美子さんだと知り納得。通りでかわいいわけだ!
昔見てた、焼きたて!ジャぱんを思い出しました。
芥子ちゃんも良いキャラしてます。
「じわじわ報復スルゥ……」のドスの効いた声がwww
安元さんのバリトンボイスが最近いっぱい聞けるようになってきて嬉しい。低い声から滲み出るドS!!
鬼灯が初主役なんですよね、安元さん。
「ひとにきびしく」ラジオも聞いてます。安定の誘導尋問が楽しい(笑)
登場キャラの中では、小鬼の茄子と唐瓜が特に好きです。
こういった、可愛らしいキャラや動物を眺めているだけでも楽しい作品が好きなので、そのうちコミックを揃えたいなぁ。
今季のアニメでは、「ハマトラ」が個人的にダークホースだと思う。
「生徒会役員共」も面白いです。下ネタが毎回酷いけど!
同人ゲーム応援バナーリンクに「なりそこないスノーホワイト(レビュー)」を追加してみました。
あとは、レイアウトとか文字の大きさなどを見やすく変えてみたり。ほんのちょっとですが。
2月も、もう半ばですか…。
そういや、もうすぐバレンタインですねー!
リアルでは、全ッ然!縁とか!!無い!!!イベントですけ ど ね!!!!
俺はちっとも、悔しくなんかないけどな!(震え声)
…まあ、見苦しい戯言はひとまず置いといて。
バレンタインが近づくと、(主に恋愛色の強いジャンルの)フリーゲーム制作サイトも妙に活気づいてくる気がしますね。
特に、乙女ゲームや女性向けっぽいゲームとか。こういった感じのピンクカラーが増えるだけでも、サイトを回るたびに楽しい発見があります。
バレンタインジャンルの面白いゲームがあったら、レビューしたいなあ。
制作サイト:永遠の文芸部
ジャンル:サウンドノベル
余命わずかとなった女子中学生の桜井かりんは、卒業直前に些細な犯罪を企てる。
その犯罪とは「放火」である。ターゲットの家は、自分を捨てた父親の家。
でも、かりんの放火は決して罪ではない。だって、この世界では極悪非道な犯罪が日常的に行われていて、大人は楽しく子どもの心を殺しているから。
かりんの放火計画に、友人の可奈子、夏海、奈々は快く協力することになる。
でも可奈子たちは、決してかりんに手術を受けろなんて言わない。それはまさに友情といえるものです。
そして、かりんは放火するだけじゃ飽きたらず、父親の弱みを握りたいと言い出す。
ということで、放火の前段階として父親の「弱み」を握るために、可奈子達はススキノを徘徊する。
少女達の楽しい放火計画と、ススキノ徘徊。
変態親父。クソ教師。このイカれた世界で、放火を罪だと言えますか?
(フリーゲーム 夢現の紹介ページより引用しました)
サイトの作品紹介が衝撃的だったので、即ダウンロードしてプレイしました!
全体的に、シナリオがなかなかに過激な方向に突き抜けている作品で、最初にこの作品をプレイしたときの印象が強かった記憶があります。
今回紹介するこの作品も無料で遊べるフリーゲームなのですが、なんと本編はフルボイスで、主人公を始めとするキャラ一人ずつに声優さんが声をあてており、さらに主題歌が二つもあるという手の込んだつくりです。
キャラグラフィックは、よくあるデフォルメ調の萌え絵とは異なり、独特の雰囲気を醸し出している写実的なもので、キャラの表情変化の細かさがリアルっぽくて良いな、と思いました。
メインキャラ・加奈子、かりん、夏海、奈々の4人は中学生なのですが、序盤から既に彼女達は飲酒、タバコに万引きなどを当たり前のようにやっており、政治家や某氏および某国家などを酷くこき下ろすような言葉もバンバン口にしたりと「オイオイ大丈夫か」とこっちが言いたくなるほどのフリーダムっぷりを見せてくれます。
作中でも彼女達は自分たちの思考が中二病じみてるのを自覚しており、だからこそ彼女達の、爽快なほどにわが道を突っ走る言動は読んでて楽しめました。
主人公・佐伯加奈子は周りの大人たちのことを生ゴミ同然としか思っていなくて、大人になる前に死ぬことが一番とも考えていたりする、いろいろと危ない少女。
そんな加奈子と友人達は、病気で余命が一ヶ月となった桜井かりんの計画した、彼女の父親の家を燃やす計画に協力するのですが……。
加奈子がある事情から、かりんに対してちょっとした負い目を感じ、それから放火計画に加担することを決める描写もさることながら、夏海や奈々それぞれの周囲に反抗していながらも結構ナイーブな心理と感情の機微が描かれているのも好印象。
かりんの父親を陥れるためにススキノへ赴く4人。やがて決行される彼女達の放火計画。
そして、かりんと加奈子たちの迎える結末は…。
エンディングはバッドとハッピーの二種類。
これは、全ての大人たちに失望させられ続けてきた少女たちの、悲痛な想いが描かれた物語。
読み終わった後、心に残るものがあるゲームでした。
ちょっと過激な青春サウンドノベル。自分が大人になったと思った人達に、プレイをお勧めしたいです。
制作サイト:三号館B階段下。
ジャンル:童話風恋愛?ADV (やや女性向け)
※エンディングによっては鬱要素有り
むかしむかし、エンゲルランドと言う国に、
少々我侭でナルシストな、けれどそれはそれは美しいお姫様がおりました。
「ねえエステリオ、この国で一番美しいのは誰かしら!」
「それは姫、貴女様でございます」
国一番の美貌で皆にちやほやされていたお姫様でしたが、
ある日父親である王様の再婚で継母と一緒にやって来たノクシア姫は、
お姫様よりずっと綺麗で、性格まで良くって――
「ね、ねぇエステリオ、この国で一番美しいのは誰かしらっ……」
「それは――」
これは、ちょっとわがままなお姫様と、まるで鏡のように正直な彼女の召使いのおはなしです。
(制作サイトより引用)
前々から、このゲームのタイトルだけは知っていて、ネットでの評価も高かったというのもあり、いつかやろうと思っていまして…。というわけで、最近プレイした本作。
先日、ようやくEDフルコンプしましたー! あ~、面白かったー!!大満足!!!
このゲームは、タイトルからも分かるとおり、有名な童話『白雪姫』をモチーフとしたファンタジーな世界観のADVです。
サイトには「多分女性向け」のゲームだと書かれていますが、(恐らくは物語の主人公が女性キャラのため)プレイ後の感想としては、この作品は従来の乙女ゲームジャンルの型にあまりはまらない変わった作品と感じました。
そもそもストーリーが、このゲームを『乙女』ジャンルの括りにいれて良いのか迷うくらい内容が濃く、物語恋愛以外の要素がたくさん詰め込まれていて、ただ甘いだけではなく、ダークな描写のスパイスも散りばめられている不思議なものになっています。
乙女ゲームを遊んだことがある身として、良い意味でいろいろと裏切られる作品でした。
グラフィックがどれも柔らかい雰囲気で大変可愛らしく、見ごたえのある美麗なものばかり。ゲーム画面のデザインもおしゃれでかわいい。
そして、なんと言っても、主人公のビアンカネージュがと~ってもカワイイんです……!
プレイ中、ずっとネージュ様の愛らしさにニヤニヤが止まりません。ノクシア姫もカワエエ!!
プレイし始めの頃は、ネージュ様のつっけんどんな態度と我が侭な言い方が少しばかり鼻につくこともありましたが、周回プレイをしていくうちに、彼女のツンデレっぷりに萌えを感じるように。
ネージュ様はただ我が侭なお姫様じゃなく、単に素直になりきれないだけで、心は素直な良い子であることが分かって来るうちに、だんだん姫様を好きになっていきました。
「絶対に嘘は吐かない」従者であるエステリオの、正直故に飾らない、姫様に対するストレートな言い方も好きです。
物語の始まりでは、ネージュは国王の再婚によってできた義姉・ノクシアに対して敵対心を燃やすのですが…。
かつて、白雪姫に例えられるほど美しいともてはやされていたネージュですが、しかしノクシアは彼女よりも美しく、さらに性格も良い完璧な女性。ネージュはノクシアと出会ったことで、焦り始めます。
さらに、鏡のようにありのままだけを告げる、召使いのエステリオが告げたある言葉のせいで、ネージュの心は大きく動きます。
しかし、物話はそれだけでは終わらなかった……。
このゲームはルート制限がかかっており、初回プレイではED1とED2しか迎えられないシステムになっています。
あることをすると、最初の二つ以外のエンディングを迎えることが出来るようになるのですが…。
実は、そこからが、ある意味このゲームの本番とも言えます。
到達するエンディングによっては、人が死んだり、怖い展開になったりするので、そういった要素が苦手な方は注意。
鬱な要素を含むEDを回避する方法は、一応、あるにはあります。初回は必ず、良いEDを迎える仕組みになっていますし。
けれども、後半部分の、伏線や謎が見事に回収されるシナリオは素晴らしく、まるで、ED1とED2のみしか見れなかった時の物語とは全く別の表情を見せられたようで、とても驚きました。
選択肢が大幅に増えた分、フラグ立てが大変ですが、ヒント機能があるので活用すると良いでしょう。
後半ルートでは、ネージュがとある人物に接触するところから話が展開されていくのですが…。
恋はただ甘いだけではなく、時には苦いものでもあります。相手に向ける感情が憎しみに変わった瞬間こそ、恐ろしい。
全ては、ある一人の人間の嫉妬から生まれた恐ろしい毒の話。
その毒に翻弄されるネージュはどうなるのか、それはご自分の目で確かめてみてください。
制作サイトに女性向けと明記されている作品ですが、男性の方にもオススメできるゲームだと思います。興味を持ったなら、是非。
制作:たぶんおそらくきっと
ジャンル:ホラー絵本風AVG
わたしのなまえはアイ
わたしが帰るこのみちは夜になるととってもくらくなる
一人で帰るのはとてもこわい
それにね、
さいきんこのみちには
きゅうけつきがでるんだって
プレイ時間は30分~60分ほどの絵本風ホラーAVGです。
血描写がありますので苦手な方はご注意ください。
ENDは13種あります。
怖さはそれほどありません。
(制作サイトより引用)
ストーリーと可愛い絵に惹かれて、プレイしてみました。
「料理」、「奥様は惨殺少女」や「包丁さんのうわさ」などといった名作ホラーゲームを制作したサイト『たぶんおそらくきっと』さんの作品ということで、この作品もホラーな雰囲気漂うAVGとなっております。
主人公のアイちゃんが一人、夜遅くの帰り道に男の子に近づいたり、女の人に話しかけたり、なにもしなかったりするだけのストーリー。
登場人物はアイちゃん、少年のせちくんと女の人の三人。選んだ選択肢によって、この三人の関係性や行動などが大きく変化します。
さて、このゲームのジャンルは「ホラー」なのですが、流血表現は絵が可愛いデフォルメのため、凄惨さはさほどありません。
流血描写に耐性のある方ならば、余裕でプレイできると思います。が。
怖いところはきっちり怖いです。私は元々チキンなせいもありますが、時々ビビること少々。
この話で描かれる『怖さ』の根幹には、幼さと無邪気さ故に引き起こされる『残酷さ』が潜んでいます。
そういった、漠然とした感情からくる恐怖の表現が気に入りました。絵の可愛らしさも相まって、ほのぼのとグロテスクのギャップが激しい作風は個人的に好き。
…アイちゃんの正体はビジュアル的にどうみても[吸血鬼]なのは、最初から明白なのですが、そこで逆に、彼女の言う「きゅうけつき」とは一体何を指しているのだろうと考えながら、ストーリーを読み進めるのも面白い。
読みながら、せちくんをはじめとする人達のいう「きゅうけつき」と、アイちゃんの概念の食い違いの書き方が上手いなぁ、と感じたり。
それにしても、きちんと相手の事を思いやれるせちくんはとっても良い子だ。
メガネっ娘でさらに食いしん坊なアイちゃんカワイイ。しかし、無邪気過ぎるが故にいろいろ怖い事が起きたりしますが…。
そのかわり、■■■■を投げつられたりもしくはそれをうっかり食べちゃったりした後に、大泣きするわ目を回してその場に昏倒するわ…などといった一面が可愛らしい。アホの子かわいい。
ほのぼの時々ちょいグロ、そしてブラックな作風の絵本風ホラー。興味があるのなら、是非プレイしてみてください。お勧め。
プロフィール
気ままに、好きなゲームのレビューを書いております。主にフリーゲーム中心。
女性向け(乙女・BLゲーム)の感想も扱うのでご注意ください。
あと、一応ネタバレには白文字で配慮しております。
時々、年齢制限があるコンテンツを紹介することもあります。
18歳未満の方(高校生含む)は閲覧にお気をつけください。