マネキネコ(ゲームレビュー)
同人フリーゲームのレビューをしております。 たまに、アニメなどの話題も。
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制作:クロチカ
ジャンル:短編ホラーノベル
夏休みも中盤に差し掛かった今日。蒸し暑い夜。
四人の少年たちはとあるトンネルの前に集まった。
「このトンネルは地獄に繋がってるんだってさ」
面白半分で肝試しに来た彼らは、はたして無事に
帰ることができるのだろうか?
(制作サイトより引用)
これからの季節にピッタリなんじゃないかなーと思われる、短編ホラー。
本作は、この制作サイトの前作「Aくんと祭のむこう」のスピンオフ作品になっておりますが、こちら単体だけを遊んでもプレイに支障は無いとのこと。
主人公・佐野貴文は幼馴染の橋本の提案で、肝試しをすることになる。
クラスメイトの新と仁の二人も誘い、とあるトンネルへと向かうのですが、そこには「トンネルに入った者は地獄に引きずりこまれてしまう」という噂があり……。
サウンドノベル形式で進行する、選択肢によって結末が変化するホラーゲームとなっております。
グラフィックの鑑賞モードなどシステム面もしっかり完備されていて、動作もスムーズ。あと、コンフィグ画面がなぜかとてもシュール(笑)
コミカルなギャグも所々に挟まれていて、話をテンポ良く、サクサクと読み進めることができたのが好印象。
それでいて、ホラーな部分はちゃんと中だるみせずにしっかりとプレイヤーを怖がらせてくれます。
LiveMakerのアニメーション機能が存分に活用されており、ちょっとした動きやホラーなどの演出が上手いと感じました。とくに、スマホのムービー撮影のシーンやネットの掲示板のシーンの演出は臨場感たっぷりでなかなか怖かったです。
グラフィックも美しく、物語終盤に現れる一枚絵も上手く雰囲気を盛り上げていて◎。鉄パイプを構える新君の、美しくそして躍動感のあるスチルがとても気に入ってます。
選択肢によってトゥルールート、[黄金]ルート、[殺人鬼]ルートに分かれますが、トゥルー以外のシナリオはキャラの設定の異なるパラレルストーリーになっているようで、そちら二つのルートでもまた違った恐怖を味わえます。
奇妙な曰くつきのトンネルに足を踏み入れたがゆえに、なぜかトンネルの出口が消えてしまうという怪現象に巻き込まれてしまった貴文達。
地面に落ちていたスマホに残されていた不可解なムービー、そしてトンネルの先に待ち構えている「地獄」の正体とは?
さまざまな怪異による理不尽な恐怖と、人と人との間の絆の大切さそして友情、その両方を作中でしっかり味わえます。橋本君は本当に、友達想いのイイ奴だ。
また、暗く狭いトンネルの中に閉じ込められた息苦しさ、先へ進む緊張感をしっかりと体験出来ます。
怖くもあり、また清々しくも感じる、鮮やかなトゥルーエンド。
読後感がとにかく最高でした。
完成度の高い、良作短編ホラーでした。
興味を持った方は是非、本編をプレイしてみてください。
プロフィール
気ままに、好きなゲームのレビューを書いております。主にフリーゲーム中心。
女性向け(乙女・BLゲーム)の感想も扱うのでご注意ください。
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