マネキネコ(ゲームレビュー)
同人フリーゲームのレビューをしております。 たまに、アニメなどの話題も。
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※15歳未満の方のプレイ不可、推奨年齢18歳以上
今日から新学期。
長袖のセーターを着るのは好きだけど、学校に行くのは少し苦手。
人としゃべるのはもっと苦手。
それでも、ほんの少し……ほんとに少しだけど、
学校が始まるのが楽しみだったのは……
「おはよう」
彼がいるから、なのかもしれない……
(ふりーむ! の紹介ページより引用)
タイトルを見れば一目瞭然なのですが、お察しの通りヤンデレゲームです。
攻略対象の男子三人全員がヤンデレ。皆、それぞれ違った「病み」を持っています。
「赤ずきんくんとおおかみちゃん」と同じサイトさんの制作なのですが、ほのぼのしてる前作とは違い、今作はひたすらシリアス展開です。
同じ制作陣で、これだけ違う作風の書き分けができるのはすごいですね。
主人公・弥生は人付き合いの苦手な、いつもうつむいている少女。
最近の乙女ゲーム主人公の典型とも言える、後ろ向き思考で友達がおらず、ぼっち気味な彼女ですが、単に自信が無いのと人と馴れ合うのが苦手なだけという風にも見えます。
大勢の人に注目されたくない、という気持ちは私も心当たりがあるので(笑)、プレイ中は割りと彼女に共感していました。
彼女はいつもタイトルの通りうつむいているからか、一週目のシナリオでは攻略対象の顔が見えず、足元や顔から下のグラフィックしか映りません。
常にうつむき気味の主人公が、相手を靴で判別しているかのように見せるグラフィック演出、攻略対象とのルートに入ると彼らの顔が判明するシステムがまるで弥生が恋愛によって前向きになり、うつむくのを止めた(相手の顔を見るようになった?)心情が表現されているようで面白いと感じました。
ゲーム画面の、ルーズリーフ風なシンプルながらもハイセンスなデザインが素敵。
他にもカットインや、アニメーション効果によるキャラの瞬きなど、演出面にも光るものがあります。
本編をスタートしてもすぐには選択肢が存在せず、初回は簡単に五百蔵・阿近・常和それぞれとのハッピーエンドを迎えます。
三人のエンディングを見た後にもう一度本編を最初から始めると、現れる選択肢によってまた違うシナリオへ進む…という二週目要素が本作にはあります。
そちらのシナリオではいよいよ攻略対象がどのように病んでいくかがじっくり描写されるため、やはり二週目こそがゲームの本番と言えるでしょう。
ほのぼのとした平和な日常から、一気にどん底へ突き落とされる落差が楽しめました。
攻略対象たちは、最初の頃こそ弥生と学生らしく初々しいながらも微笑ましく接しているのですが、後にそれぞれ精神が奇妙な方向へ常軌を逸していく…という描写がなかなかリアルで、相手を精神が病むほどに愛してしまう人間の心情や、きっかけも分かりやすく描かれていたのが良かった。
彼らが皆一様に弥生に執着を見せるのは、やはり彼女の性格が呼び寄せたものなのか…。
[まあ、常和くんは最初から変態で狂気じみているのですが(笑)]
ゲームのエンディングは最初に迎える三つのハッピーエンド以外、ほとんどがバッドエンドです。
正直に言ってしまえば、バッドエンドこそがヤンデレの醍醐味なのでハッピーエンドはむしろ不必要とも感じますが、見る人によってはキツい描写が多いので苦手な人はプレイを避けたほうがいいかもしれません。
攻略対象の中では常和くんが特に好きです。欲を言えば、彼の[変態性]の描写をもっと見たかったな。[弥生の髪を触っている]ときの彼、ホント良い顔だ(笑)
五百蔵くんが彼の凄まじく強い独占欲を発揮するあの展開は読んでてドキドキしました。独占こそ、ヤンデレの華!
阿近くんはあの中でも一番正常な人に見えるのですが、そういう人こそ一度何かに執着すると怖いんだろうな…。彼のシナリオは単純に切なくなりました。
二週目のシナリオで全てのエンディングを見た後に出現する隠しEDは見落としがちですが、ちゃんと最後まで、全て見ることをオススメします。
今までたくさん弥生と彼らが報われない展開ばかりだったので、ED10は救いのように思えました。
どんなに心を病んでしまっていても、彼らの主人公に対する愛情は本物だったのでしょう。
ヤンデレ男子だらけの乙女ゲーム。ヤンデレが好きなら、是非。
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プロフィール
気ままに、好きなゲームのレビューを書いております。主にフリーゲーム中心。
女性向け(乙女・BLゲーム)の感想も扱うのでご注意ください。
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