マネキネコ(ゲームレビュー)
同人フリーゲームのレビューをしております。 たまに、アニメなどの話題も。
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制作:Ankrache
ジャンル:女性向け姉弟ほのぼの会話ゲー
姉(姉貴)とぬいぐるみな弟(尚基)が会話する感じのほのぼの姉弟ゲーです。
お互いなかなかのブラコンシスコン具合なので、苦手な方はご注意下さい。
(制作サイトより引用)
いつもブッ飛んだ演出とストーリー展開で、毎回プレイヤーを楽しませてくれるサイト・Ankracheさんが制作された女性向け?ゲームです。
今作も例に漏れず、力強い演出で魅せてくるゲームでした…。
素敵な作品だったので、軽く感想をば。
「おとうとぬいぐるみ」というタイトル通り、本作は、主人公の姉とぬいぐるみ弟・尚基の二人がとりとめのない会話をずっとしている、という内容のフリーゲーム。
ネタバレ抜きで、本ゲームの内容を紹介すると、
『――姉貴、どうしよう』
『俺、ぬいぐるみになっちゃった』
「……、そっか」
……という会話から始まる、姉弟同士のほのぼのとした会話を楽しむゲームとなっております。
(一応は嘘じゃない……ハズ)
ぬいぐるみになった尚基と姉、二人の会話を追っていくと、二人の姉弟、そして彼ら家族の事情が少しずつ透けて見えてくる、という構成が面白かったです。
姉弟二人の、ぐだぐだとしたなんともゆる~い会話が読んでいて心地良い。
[あのゆるい会話の中に、ラストに繋がる多くの伏線が、あんなにも散りばめられていたなんて……!]
それから、繰り返しの周回プレイが楽しくなるゲーム構成及び、ゲーム本編の場面演出には目を瞠るものがあります。
何といっても特筆すべきは、作中の物語に深みをもたせるアニメーションと画面演出――目の前を通り過ぎていく電車の影、駅名を模したタイトル画面、フェンスの向こうに広がる青空と夕焼け…など――の美しさ。
…ちなみに、ギャグの範囲内ではありますが、本作には視覚的グロ表現が含まれるので苦手な方は演出設定をシステム画面で変更することをお勧めします。
あとは、点滅の激しいアニメーションに弱いという方も、無理せず設定をOFFに変えた方が良いかもしれません。
(本編の内容には直接関係ない話ですが、デフォルトの設定&スプラッター描写をOFFにした時の演出も、普通に違和感のないものに仕上がっているのが凄い。)
物語の真相がよく分かっていない時は、二人の会話を読んでいても弟・尚基の意図がいまいち掴めませんでした。
三日目到達後に明かされる真相には驚きましたが……弟、お前って奴は…!(泣)
尚基のやたら遠回しな言動も、一概には理解し難い、と言えないところがまた…何とも切ない。
姉貴も姉貴でブラコンを少々こじらせていて、愛情表現がやたら斜め上、という所はありますが、なんだかんだ弟想いでやっぱり心優しい人なので、彼女の「尚基と、一緒に生きていきたい」という言葉には泣かされてしまいます。
尚基にとっては、唯一人姉貴という家族だけが最後まで変わらぬ態度でいつものように笑顔でいてくれた事が一番大事なのでしょう。
最初から最後まで、仲睦まじい姉弟の姿にほっこりし、エピローグの弟の手紙にはホロリとさせられました。
物語ラストの真エンディングに到達するまでのフラグ立てが少々難しいゲームですが(ヒント機能が付いているのでかなり助かります)、演出に特化した作品が好きな方には是非オススメしたい作品だと思います。
ジャンルこそ「女性向け」と書かれていますが、男性にも広くお勧めできるゲームかと。
シナリオの質も高く、とても楽しいゲームでした。オススメ!
プロフィール
気ままに、好きなゲームのレビューを書いております。主にフリーゲーム中心。
女性向け(乙女・BLゲーム)の感想も扱うのでご注意ください。
あと、一応ネタバレには白文字で配慮しております。
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