マネキネコ（ゲームレビュー）

 
制作：はっさく
ジャンル：恋は性別じゃないんだＡＤＶ

「実は、俺...............ノンケ受けなんだよ。」
「.........うん？」

仲良しの男友達、川尻マモル。
彼はなんと、ＢＬギョーカイの住人となる運命を背負っていた――！？

女の子が好きなフツーの男の子なのに、ノンケ受けであるがゆえに
このままだとマモルはＢＬギョーカイの住人になってしまう！
彼の運命を変えられるのは、私しか―――いない！

ちょっと石油の香り漂う、はっさく的ハチャメチャラブコメディ、開幕！

（制作サイトより引用）

なんてヒドいゲームタイトルなのでしょうか（褒め言葉）
なんと言うか、最初から最後までいろんな意味で突き抜けている作品でした。

あらすじとタイトルからも分かる通り、本作にはBL要素が多分に含まれています。
しかし、このゲームのジャンルは決してBLではなく「乙女」ゲームですので、そのへん誤解無きよう(笑)

以下、ネタバレ含むレビューをつらつらと。

[1回]

自身の属性が「ノンケ受け」であるがばっかりに、男に狙われてしまっている川尻マモルと主人公は友達同士。
そんなマモルはある日、主人公に「俺の彼女のフリをしてくれないか」と相談を持ちかけます。
マモルの事が心配な主人公は、彼が「BLギョーカイ」に引きずり込まれてホモの一員になるのを防ぐため、一緒に行動するのですが......

変な男たちや石油王子に狙われるマモルを、BLの魔の手から守りましょう。
マモルがBLに巻き込まれるような選択をしてしまうと即、バッドエンドになります。

マモル君のキャラデザがいかにも受けっぽくて良いですね。垂れ目、ツンデレ、純情、照れ屋、萌え袖カーディガンetc...　といった豊富な萌え要素から溢れ出るヒロイン属性。
こんな（BL世界的に）美味しいキャラ、そりゃ狙われてもしょうがない。

そしてマモル君をホモにしない為に奔走する、男前な主人公がかっこよすぎる......！　マモル君よりも、むしろ彼女の方が断然彼氏力があるのでは...(笑)

満員電車でいつも痴漢に狙われるマモル君に、「私が痴漢してればいいんじゃない？」とすごい切り替えしを見せた彼女の言動には思い切り吹きました。男女逆の、画期的（？）壁ドンにも笑いましたが、まさか主人公が攻略対象に痴漢する乙女ゲームになってしまうとは...。

その上、尻を触りながら「やっぱり、恋人同士に見えちゃうかな…」と主人公が頬を赤らめるシーンは笑わざるを得ない。とりあえず、尻を触りながら言うことではない(笑)
まあ、彼女に対して「お前、天才だな！」とあっさり痴漢を受け入れるマモル君もマモル君なのですが。

本編はもちろんネタまみれで、BLネタはもちろん、結構ネットネタやパロディネタが多かったような。
（学園ハン●ム、艦これ、この後滅茶苦茶～、まゆたんカンフーなど）

BLネタの大部分はあるあるネタで占められており、思わず読みながら頷いてしまう部分もあります。
主人公も言ってますが、確かに乙女ゲームが好きな人が腐女子とは限らないですよね...まあジャンルがそもそも違うわな。

そしてなんと言っても、マモルに迫ってくる石油王子、サバーク・ド・セキーユ（メガネ＆生徒会長属性）の存在感がハンパ無かったです。
特に、スチルのハンサムなＡＧＯが……立ち絵はまだまとも（ちなみに周回プレイすると、こちらのアゴも伸びる）なんですが。

アラブ攻めタイプのセキーユさんはしつこくマモル君を追いまわす人なのかと思っていましたが、マモルに好きな人がいると分かった時には男らしく手を引き、彼の幸せを願う姿には惚れそうになりました。

「邪魔者は、とっとと去るさ」とか、セキーユさんかっこ良過ぎです。なぜ攻略対象じゃないのか...！

サクっと遊べる、明るいノリの短編乙女ゲームでした。BLネタに抵抗が無く、ギャグがお好きなら是非遊んでみてください。